1/3ページ目 12月の半ば、雪の降る寒い夜。 今日もその子は、ひとり外にいた。 マフラーをぐるぐる巻きにして、 もこもこのコートを着て、 ブーツを履いている。 それでもその子は、 けっして手ぶくろをしない。 雪が積もっている 地面にしゃがんで、 ひざに手ぶくろを乗せて、 いつもいつも其処にいる。 ときどき、悴んだ手に 息を吹きかけて。 もう鼻も真っ赤になっていて、 見ているこっちが寒い。 でも僕は、いつも 此処から動けない。 その子が頑張っているのを見ると、 足が止まってしまうのだ。 それでもその子は気づかずに、 ひたすら文字を書いている。 わざわざ雪が降っている時に、 書いても埋もれてしまう文字を、 自らの手で。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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