小説
知ってる、でも好き1
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たとえば私が“お姫さま“で。
そしたら貴方が此処に来る筈はなくて。

だから私は、貴方に好かれる資格も、
好きになる資格も、ただ見ている
資格さえもなくて。

そんなの悲しすぎる。
でも、そういう運命なんだ、きっと。

私は彼の傍に居てはいけない。
居る資格がない。
彼をこれ以上、苦しめたくない。

かと言って、急に態度を変えるのも
可笑しいし、どうすればいいんだろう。

ガタン。

そこまで考えて電車が揺れた。
それと同時に美夏の声が耳に入る。


「もう、どうしたの?さっきからぼーっとして。廉くんとなんかあった?」

「別に何もないよ。
てかそういう目で見ないで!」

「だぁーってそうゆうふうにしか
見えないしぃ〜?」

「むぅ〜。本当に違うのに…。」

「まぁ美緒が違くても廉くんは
絶対美緒好きだよ。」


そんな事分かってるよ。
ってか私も廉好きだし!


「そんなのないよ。
廉が私を好きな訳ないじゃん。」

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