2/4ページ目 ふいに足音が聞こえてきた。 私はもうどうでもよくなって、 そのまま泣き続ける。 ドアが開く音。 こっちに向かって歩いて来る。 そして、がばりと抱きしめられた。 「はぅっ!」 混乱する頭。 でもすぐに、廉の匂いがして安心した。 「…………。」 「廉?」 「…………。」 「どしたの?」 「…………。」 言葉を発しない廉に、戸惑ってしまう。 後ろから抱きしめたまま 離してくれないので、身動きがとれない。 それでもなんとか、肩に乗ってる頭に 手を伸ばす。 そして、ふわり。 柔らかな髪に触れた。 びくっとした廉に構わず撫で続けると、 ぽつりぽつり。話し始めた。 「ごめん、美緒。俺、やっぱり無理だった。 美緒から離れるなんて、無理だった。」 「うん。」 「美緒の事、好きだから。だから、 無理させたくなかったんだ。でも、 無理だった。ごめん、ごめんな。」 「廉。」 びくっ。廉の体が震える。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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