拍手ありがとうございます☆☆

↓↓以下、お礼駄文。

※以前のお礼文は「拍手お礼文ログ」に移してあります。




※ 新婚さんな設定 ※











パタン…




着信も受信もしていない携帯の画面。
織姫は物憂げな表情でそれを二つに折り畳んだ。


「遅いなあ、一護くん。」


うつ伏せで横になっている彼女は、
下半身をこたつの中に、上半身はクッションに預けている状態のまま小さく呟いた。




壁にかけてある時計をちらりと見てみれば、針は午後11時を指している。
最後に彼から連絡があったのは、確か夕方頃。




「わりぃ、今日は仕事の仲間と呑んで来る。」




金曜の夜。
なんとなく想定はしていたが、やはり夕飯は要らないという知らせだった。


それ自体は別に構わない。
作る前に連絡をくれるのであれば、食材も手間も無駄になることがないから。
むしろありがたい。


だから織姫は「楽しんできてね」と快く返事をした。




けれど…




「おう、悪いな。」


そう言った彼の声、携帯の向こう側で。


「黒崎さーん、信号赤になっちゃいますよぉ〜」


女性の声がした。




一瞬固まってしまった織姫だったが、そこは冷静に"仕事の仲間"の1人だろうと判断する。
耳を澄まして聞いてみれば、その後ろからワイワイと騒いでいる複数人の声も聞こえて来た。


状況を何となく想像し、織姫は一護といくつか言葉を交わすと、
一緒にいるであろう同僚たちを気遣って早めに電話を切った。






「はぁ〜.....」






本日何度目の溜め息だろうか。

この数時間ですでに一週間分を使い果たしている気分だった。


その原因は一護にというより自分にある。







「やだなぁ....あたしったら。」






電話では「楽しんできてね」だなんて物わかりの良い女でいたけれど。



結局はヤキモチと不安がこの胸を支配している。
気になってしまっている、電話越しに声が聞こえた女性のこと。


社会人であるからには、女人禁制の会社にでも入らない限り異性との付き合いを欠く事はできない。

だからそんな事にいちいち反応していたのでは、こちらの心が保たない。



分かっている。

分かっているのだけれど。





「だってだって…」





いくつになっても、

何年彼と一緒にいても、



子供っぽい独占欲は消えないもので。





「あたしだって一護くんにお酌したい〜。」





いいなぁーっとクッションに突っ伏して叫ぶと、こたつの中で両足をバタバタさせた。



彼は誰かにお酌をしてもらったのだろうか。

隣に座って、「やだぁ、黒崎さんったらぁ」だなんてやっちゃったりしてるのだろうか。



…もんもんもん。



足をバタバタさせつつ妄想に妄想を重ね、

時に苦しそうに眉をひそめたり、または悲しそうな瞳をしたりと忙しく表情を変えていたその時。







がちゃり。







玄関から鍵があけられた音がした。

その瞬間、織姫の身体がビクンと反応する。





「ただいまー。」





聞こえて来たのは、待ちに待ってた旦那サマの声だった。



感想お待ちしてまっす★
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